お知らせ

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2023年08月01日
「骨太の方針2023」を閣議決定  負担増は十分な議論と説明を

 「次元の異なる少子化対策」の内容や財源の議論を行っている「こども未来戦略会議」(議長・岸田文雄首相)は6月13日の第6回会合で、「こども未来戦略方針」を取りまとめました。

 方針では、2024~26年を集中取り組み期間とし、その間に「児童手当の拡充」「出産等の経済的負担の軽減」といった施策を「加速化プラン」として、できる限り前倒し実施するとしています。3兆円台半ばを見込む財源の確保について増税は行わないとしつつ、28年までに徹底した歳出改革等を行い、それらによって得られる公費・社会保険負担軽減の効果を活用しながら、実質的に追加負担を生じさせないことを目指す、との考え方が示されました。

 今後、社会保険制度を活用した「支援金制度(仮称)」を構築し、その詳細については年末に結論を出す、としています。少子化対策が重要なのは言うまでもありませんが、現役世代中心の健保組合の財政が非常に厳しい状況にあるのも事実です。

 健保連はこのほど、23年度健保組合予算早期集計の結果を公表しましたが、健保組合全体の経常収支差引額は、過去最大の5623憶円の赤字となる見込みが明らかになりました。その大きな要因は新型コロナの影響等による保険給付費の増と、団塊の世代が75歳に到達し始めたことによる後期高齢者医療への拠出金が約10%急増したことによるものです。

 政府は6月16日、国の予算編成や経済財政運営の指針となる「骨太の方針2023」を閣議決定しました。注目の「加速化プラン」については、「こども未来戦略方針」に沿った内容が盛り込まれ、安定財源確保の具体策は年末の予算編成時まで先送りされました。どのような形であれ社会保険料を通じて負担を求めるのであれば、健保組合等の事業主や加入者、さらには国民全体の理解が得られるよう、十分な議論と関係者への丁寧な説明が求められます。

 

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