お知らせ

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2023年07月01日
少子化対策の財源議論始まるも 50年後の人口は8700万人

 「異次元の少子化対策」を掲げた岸田文雄首相の主導のもと、政府は3月末にこども・子育て政策の強化に関する「たたき台」を取りまとめました。これを受けて4月7日、「こども未来戦略会議」(議長・岸田首相)の初会合が開かれました。

 「たたき台」には、若い世代の所得増や妊娠・出産時から0~2歳の支援の強化などを掲げました。子育ての経済的支援の強化では、既に出産育児一時金の大幅な引き上げが行われていますが、2024年度から実施される出産費用の見える化の効果を検証した上で、出産費用の保険適用の検討を行う方針が示されました。また、児童手当の所得制限撤廃や支給期間の延長なども盛り込まれており、児童手当の具体的内容は、その裏付けとなる安定財源の確保も含めた検討に入りました。

 そうした最中、国立社会保障・人口問題研究所は4月26日、「日本の将来推計人口(令和5年推計)」の結果を公表しました。推計では2020年の総人口1億2615万人が50年後の70年には8700万人(69.0%)まで減少し、他方で65歳以上人口の割合が同28.6%から同38.7%に上昇するというもので、少子高齢化がもたらす厳しい現実が改めて突き付けられました。

 50年先といえども、人口減少は今後のわが国の経済・社会の仕組みや社会保障制度に大きな影響を与えかねません。翌4月27日の戦略会議では、こども・子育て政策に必要な財源の議論が行われ、有識者からは「世代を問わず、能力に応じて負担する仕組みとすべき」、「社会で広く薄く負担すべき」などの意見が出る一方で、「中期的には税も含めて検討すべき」との意見も出るなど、今後の議論が注目されるところです。

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