お知らせ

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2019年10月01日
消費税の課題を改めて考える

 最近、興味深い調査結果が公表されました。「2018年簡易生命表」(厚生労働省)と「2017年度社会保障費用統計」(国立社会保障・人口問題研究所)です。

 前者では平均寿命が男性81.25歳、女性87.32歳で、ともに過去最高を更新したこと、後者では年金や医療、介護などの社会保障給付費が初めて120兆円の大台を超えたことが明らかになりました。

 社会保障給付費の部門別構成比は「医療」32.8%、「年金」45.6%、「福祉その他」21.6%ですが、前年度比の伸び率は年金の0.8%に対し、医療が1.6%、福祉その他が3.1%(うち「介護」は4.1%)と大きく、高齢化の進行が数値に如実に表れています。

 こうした背景を踏まえ、消費税率10%への引き上げについて考えてみます。消費税(諸外国は「付加価値税」)は、欧州では1970年前後に導入し、現時点ではスウェーデン・デンマーク25%、イタリア22%、英国・フランス20%、ドイツ19%です。アジアでは韓国が最も早く77年に導入し、現在に至るまで10%、84年に導入した中国は現在16%などとなっています。

 多くの国で消費税(付加価値税)が導入されている最大のメリットは、税収が景気の変動に影響される法人税や所得税などの「直接税」と異なり、生活に密着した商品やサービスへの課税で税収が安定しており、税率の引き上げによる増収が期待できる「間接税」であるからです。

 超高齢社会を見据え、いかに国民に公平で確実な税を広く負担してもらうか、諸外国の実態とわが国の状況を踏まえ、89年に消費税(3%)が導入されました。現在、その使途は社会保障に限定されています。

 国民は税率の引き上げには厳しい目を向けますが、その使い道には無関心です。一方、老後の見通しが立たず、不安感と不信感に振り回されている状況にあります。

 今回の消費増税を機に、将来も安心できる社会とは何かを考えてみませんか。

 

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