お知らせ

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2019年08月01日
高額医薬品の保険適用 財政との兼ね合いが課題に

 

 白血病などの新しい免疫療法製品である新薬が、5月22日から公的な医療保険で使うことができるようになりました。その公定価格は約3350万円。厚生労働省によると、国内で保険適用された薬の単価としては過去最高額とのことです。既に使われている欧米での価格約4000万〜6000万円に比べると低く設定されました。

 白血病などのうち、再発・難病性患者が対象で、患者数は年間216人、市場規模は72億円になる見込みです。こうした画期的な新薬の出現は、これまで治療方法がなかった患者にとっては朗報ですが、2年前に1人年間3500万円(当初)かかるとされた皮膚がん治療薬オプジーボのことが思い出されます。対象となる疾病の範囲が拡大され、医療保険財政に大きな影響を与えると懸念されたため、薬価制度の見直しにより、現在は1000万円強に引き下げられました。

 近年、遺伝子組み換え技術を用いて製造されるバイオ医薬品が新薬開発の主流となり、開発費などがかさむことが高額化につながっているようです。画期的な新薬が開発されて保険適用されることは、高額療養費制度により低廉な自己負担で誰もがその恩恵を受けられることになり、皆保険制度の観点からは望ましいことです。

 一方、高額な薬が増え保険適用されていくと、医療保険財政への大きな影響が懸念されます。オプジーボのように薬価の引き下げも考えられますが、米国では1回の治療が2億3千万円という超高額の難病薬が認可されたところです。これを薬価の引き下げで対応できるかは疑問です。

 国民医療費が増加の一途をたどる中、限られた財源で医療保険を維持していくためには、個人で負担しきれないリスクに重点化し、保険で給付する範囲を見直すことが求められます。例えば、湿布やビタミン剤、医療用医薬品と同様の成分が含まれている市販薬を保険の対象から外すことなどが想定されます。

 

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